視覚障害者用 テンピン・ボウリング・ルール
2001年 9月 国際視覚障害者スポーツ協会 総会にて採択(英語版)
2002年6月2日 日本語訳
日本語訳作成
視覚障害者ボウリング・コングレス・ジャパン
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1. 総則
2. 参加資格
3. クラス分け
4. 施設の改変および機器
5. プレイの進め方
6. 適正投球
7. 反則投球
8. ファウルの定義
9. スロー・ボウリング
10. ボウリング用ボウルの点検
11. 種目
12. エントリー
13. 代表団構成
14. 競技会の開催場所
15. トーナメントの管理
16. 喫煙および飲酒
17. ボウリング・ユニフォーム−宣伝広告
18. 罰則
19. 抗議
20. トーナメント前のミーティング
21. 式典
テンピン・ボウリング
1. 総則
1.1 現行WTBA(World Tenpin Bowling Association)規則を全面的に適用するが、以下に定める追加および訂正を除く。
1.2 全ての公式戦において、以下の指示は各国IBSA加盟の協会により適用される。
1.3 各国の視覚障害者協会は、IBSAに所属することにより現行規則及びIBSA総則を読み、適用し、従う義務を負う。
1.4 IBSAは、現行規則に改正を行う権限を有する唯一の組織である。
1.5 IBSA規則について誤解が生じた時は、英語版に従うものとする。
2.
参加資格
2.1 選手権大会においては、エントリーを行った各国IBSA加盟協会の国民のみが、各協会の代表者としての資格を有し、IBSAの会費支払済み会員資格を有する各国協会により、競技に参加する資格を付与される。
2.2 視覚障害者によって管理されていない国内IBSA加盟協会がある国においては、認可された競技会に参加を希望する個人は、視覚障害者のための競技スポーツを積極的に推進してきた認可視覚障害者組織による資格が付与されるよう推薦を受けなくてはならない。ただし、IBSAテンピン・ボウリング・テクニカル小委員会が認める特別な状況が参加を妨げる場合を除く。
2.3 ある国が、ある組織を視覚障害者のための国内認定組織としてみなすことに同意できない、あるいは選手権大会への代表団の構成に同意できない場合は、当該国はIBSAテンピン・ボウリング・テクニカル小委員会に助力を要請すべきである。
2.4 競技会への参加資格は、下記第3条項に定められるIBSAのクラス分けB1、B2、B3である。全ボウラーは、選手権大会の最初の競技へのチェックインの際に、視力(クラス分け)証明書の写しを提示することが求められる。これを行わない場合は、選手権大会への参加資格を失うことになる。
3. クラス分け
B1:視力0から光覚までの者で、いかなる距離、方向からも手の形が見分けられない者。
B2:手の形の認知可能から視力が2/60(0.03)までか、視野が5度まで、あるいはその両方。
B3:視力が6/60(0.1)までか、視野が20度まで、あるいはその両方。
クラス分けにおいては、両眼とも可能な限りの矯正視力であること。(すなわち、コンタクトレンズまたは矯正レンズを使用する全ボウラーは、試合時に装用するか否かを問わずクラス分けの際にそれらを装用すること。)
4.
施設の改変および機器
4.1 B1クラス
このクラスの場合、以下のルールブックに記載される通り、ガイドレールおよび晴眼者のガイドが認められる。しかしながら、既存の施設への物理的な変更は認められない。
ガイドレール補助が使用されるB1競技では、ガイドレールの位置は、ボウラーが右利きか左利きかによってアプローチの左側か右側とする。ガイドレールを設置する時は、土台の内側の端が、ガター内側のエッジ延長線上のラインを超えてはいけない。
ガイドレールは、IBSAテンピン・ボウリング・テクニカル小委員会により認可された競技の開始前に承認されなくてはならない。その承認において小委員会は、そのガイドレールを使っているB1ボウラーとその同国のチームメイトが、すでにそのガイドレールに慣れているという事実を考慮しなくてはならない。なお、他のレーンのボウラーにいかなる妨げもしてはならない。
B1ボウラーは、チームメイトと同じレーンで競技に参加する。
晴眼者ガイドが補助するB1競技では、ボウラーがアプローチについた後のコーチ指導は認められない。ボウラーに与えることができる情報は、残ピンの位置の番号、残ピンのどちらをボウルが通ったか、必要に応じて、どちらのガターをボウルが転がったかだけである。
ボウラーがアプローチについた後、投球前、ガイドはボウラー・エリアの後に移動しなくてはならない。ガイドは、組織委員会により指名された中立的なトーナメント・アシスタントでなくてはならない。
注意:このクラスの全ボウラーは、競技中は公正を期するため、目隠しゴーグルまたはそれに類似したものを常時着用しなくてはならない。これらは、IBSAテンピン・ボウリング・テクニカル小委員会によって承認されなければならない。
トーナメント役員は、練習開始前、そして必要であれば競技中に、このクラスのボウラー全員の目隠しゴーグルの点検を行うものとする。
ボウラーは、目隠しゴーグルの調整をトーナメント役員の面前で、投球と投球の間にのみ行うことができる。
4.2 B2クラス
既存施設の物理的な変更は認められない。しかし、ガイドレールは使用しても良い。
4.3 B3クラス
全体を通じてWTBAの規則に準拠するものとする。ただし、以下の場合はその限りではない。
注:全クラスのボウラーは、組織委員会により指名されたトーナメント・アシスタントによる表示板および残ピンのナンバーの読み上げの補助を受けなくてはならない。
5.
プレイの進め方
5.1 競技中は、1レーンで投球を行うものとする。特に別途定められない限り、ゲーム中にレーンの変更は行わない。
5.2 1レーンにつき最大4人のボウラーを組むことができる。ゲーム開始後、そのゲーム中は、選手のラインアップの変更を行ってはならない。ただし、各選手権大会ごとの規則に準じて交代が認められる場合を除く。
6. 適正投球
適正な投球を以下の通りとする。
I. ボウルラックからボウルを補助あり、または補助なしでピックアップすること
II. 助走あり、または助走なしで、直立姿勢から投球を行うこと
III. B1クラスのボウラーについては、手からボウルが離れる前までは、ガイドレール触れたり、つかんでいても良い
IV. ボウルがプレイヤーの手を離れて、ファウルラインを越えてレーン(プレイング・テリトリー)に入る
7.
反則投球
ボウラーがアプローチ開始後に、アシスタントが口頭または身体的に投球について指示を出す。
8.
ファウルの定義
8.1 投球中または投球後にプレイヤーの体の一部がファウルラインに侵入するまたは越えたとき、そしてレーン、機器、または建物に触れたときはファウルとする。
8.2 投球前にボウラーまたはトーナメント・アシスタントが、位置確認のためにファウルラインを横切ることはファウルではない。
9.
スロー・ボウリング
9.1 アプローチに足を踏み入れ、投球準備に入るボウラーは、以下の権利と義務を有するものである。
9.1.1 ボウラーは、隣接する左側のレーンでアプローチに移動するまたは投球準備に入るプレイヤーに対してのみ優先権を有する。
9.1.2 ボウラーは、隣接する右側のレーンでアプローチに移動するまたは投球準備に入るプレイヤーに優先権を譲るものとする。
9.1.3 順番がきたときには投球体制に入るものとし、隣接する左右両方のレーンがあいている場合は、アプローチまたは投球を遅らせてはならない。
9.2 プレイヤーが第1項で述べた手順を守らない場合は、スロー・ボーリングとみなされることがある。
スロー・ボーリングに対しては、警告が与えられる。それにも関わらず遅延行為が継続して行われた場合は、罰則が与えられる。
10.
ボウリング用ボウルの点検
10.1 競技の開始前に、使用するすべてのボウリング・ボウルは、重量、バランス、穴、表面の硬度についてWTBSボウリング・ボウル仕様に合致していることの点検を受けなくてはならない。
10.2 ボウリング用ボウルがトーナメントの場所から持ち出された場合は、次の試合で投球前に再点検を受けなくてはならない。
11. 種目
IBSA種目プログラムの公認競技を以下のとおり定める。
11.1 シングルス
11.1.1 スクラッチ・シングルス
B1クラス B2クラス B3クラス
男子 男子 男子
女子 女子 女子
11.1.2 ハンディキャップ・シングルス
B1クラス B2クラス B3クラス
男子 男子 男子
女子 女子 女子
11.2 ダブルス
ダブルス競技では、2人のボウラーのクラスの合計がB4以下であっても良いが、B4を越えてはならない。
11.2.1 スクラッチ・ダブルス
11.2.2 ハンディキャップ・ダブルス
11.3 スリー(3)・パーソン・チーム
スリー・パーソン・チーム競技では、3人のボウラーのクラスの合計がB6以下であってもよいが、B6を越えてはならない。
11.3.1 スクラッチ・スリー・パーソン・チーム
11.3.2 ハンディキャップ・スリー・パーソン・チーム
11.4 フォー(4)・パーソン・チーム
フォー・パーソン・チーム競技では、4人のボウラーのクラスの合計がB8以下であってもよいが、B8を越えてはならない。少なくともB1ボウラーと女子ボウラーを1名ずつ含めなくてはならない。チーム内の女子ボウラーはB1であってもよい。
11.4.1 スクラッチ・フォーー・パーソン・チーム
11.4.2 ハンディキャップ・フォー・パーソン・チーム
注意:各ボウラーの1ゲームのハンディキャップ・スコアは、公式の平均スコアと190の差の90%に基づいて算出される。IBSA加盟協会の所属リーグにおける少なくとも30ゲーム以上のアベレージを用いて算出される。また、算出の対象となるゲームは選手権大会開始の4週間前のものとする。
ハンディキャップ競技に参加する全てのボウラーは、確認のために各自のIBSA加盟協会からのリーグ・アベレージのコピーを提示することが求められる。ボウラーが当該情報を提示することができない場合は、そのボウラーの平均スコアに関わらず、ハンディキャップ競技に参加することは認められない。
12.
エントリー
12.1 シングルス
クラスごとの競技あたりの最大エントリー数は、一カ国あたり4名とする。
12.2 ダブルス
ダブルスの最大エントリー数は、一カ国あたり4チームとする。
12.3 スリー・パーソン・チーム
スリー・パーソン・チームの最大エントリー数は、一カ国あたり3チームとする。
12.4 フォー・パーソン・チーム
フォー・パーソン・チームの最大エントリー数は、一カ国あたり2チームとする。
13.
代表団構成
IBSAによる競技への各国代表団の構成は以下の通りとする。
13.1 ボウラー
各国代表団のボウラー数は10人以下とし、それを越えてはならない。競技に参加するボウラーは、自国のIBSA加盟協会の認可を得なくてはならない。
13.2 コーチ
各国代表団のコーチは、各国協会に登録した者1名とする。コーチは、自国のボウラーの技術的なニーズの責任者である。コーチは、主催国協会によりトーナメント・アシスタントをボランティアで行うことを要請されることがある。
13.3チーム監督
各国代表団は、各国協会に登録したチーム監督により技術的に監督される。監督は、IBSA公式競技会における自国のコーチおよびボウラーの責任者である。
14.
競技会の開催場所
IBSA認可の競技会のために選択されるボウリング・センターは、以下の条件を満たしていなくてはならない。
14.1 開催国協会の独占的な使用のために必要な全レーンを予約すること。1つの建物内でトーナメントが行われる場合は、少なくとも24レーンを必要とする。2つのボウリングセンターを必要とする場合は、小さいほうには少なくとも20レーンが設置されていること、もう1つには少なくとも24レーンが設置されていなくてはならない。
14.2 ボウリング・ボウル及びガイドレールの夜間保管のための適切なスペースを設置すること。2ヵ所のボウリング・センターを使用する場合には、2ヵ所間のボウリング・ボウル及びガイドレールの移動をするための準備を行わなくてはならない。
14.3 レーンにガイドレールの設置を認めること。
14.4 スコアキーパー、レフリー、トーナメント・アシスタントを確保するために主催国協会の補助を行うこと。
14.5 WTBAに認可されたボウリング・ピンを使用すること。
14.6 トーナメント期間中は、WTBA仕様書に則ってボウリング・レーン表面を清潔に保ち、適切に整備すること。IBSAは、ファウルラインを越えて少なくとも30フィート(9メートル)までオイルを使用することを望む。
14.7 レーンおよびコンコースには、競技期間を通じて最大限の照明を提供すること。
14.8 主催国協会と協力して、競技会の広報活動を行うこと。しかし、競技中にフラッシュや明るいテレビカメラ照明の使用を制限すること。
15. トーナメントの管理
15.1 主催国協会は、有資格のトーナメント監督を指名するものとする。当該監督および監督により任命された代理人は、トーナメントを監督し、指揮をとる。この任務には、スコアキーパー、レフリー、トーナメント・アシスタントを指名する責任も含むものとする。
15.2 トーナメント管理委員会は以下により構成される。
I. トーナメント監督
II. IBSA代表者
III. トーナメント監督およびIBSA代表者の双方により指名された有資格技術専門員1名
16.
喫煙および飲酒
16.1 ボウラーは、競技中すなわちゲームのブロックを通して喫煙、飲食、アルコールの摂取または酒気を帯びてはならない。ボウラーが本規則に違反していると認められる場合、そのボウラーは競技中のゲームへの参加を停止させられる。
16.2 非アルコール飲料は、プレイヤー・エリア内で摂取されない限りにおいて認められる。
16.3 選手権大会中はアルコール飲料がプレイヤー・エリアまたは観客エリア内で提供または摂取されてはならない。
16.4 選手権大会中におけるボウリングセンター内での喫煙は禁止される。しかし、プレイヤー・エリアまたは観客エリアの環境に影響しない限りにおいて、所定の場所での喫煙は許可される。
17.
ボウリング・ユニフォーム−宣伝広告
17.1 ボウラーはその国が認めた標準ユニフォームを着用しなければならない。個々の異なる服装は認められない。男性はズボン、スラックスの着用が認められる。女性はスカート、ショートパンツ、ズボン、スラックス、あるいはドレスショーツの着用が認められるが、チーム内で違いがあってはならない。
17.2 以下をユニフォームに入れることが認められる。
プレイヤー名
国名
プレイヤーが代表する国または団体のロゴ
広告、ただしその大きさがプレイヤーの背面につけられた最も大きい文言の半分を超えない場合で、かつ宣伝広告が主催協会国の法律と国際オリンピック委員会の規約に違反しない場合に限る。
18.
罰則
18.1 規則違反を犯した、あるいは種目競技中または種目競技後において攻撃的または侮辱的な振る舞いをしたものは、いかなるボウラーもその種目以降の競技への出場資格を取り消されるか、または禁止される。
18.2 罰則はジュリー会議によって決定される。ジュリーは3人のメンバーで構成されなければならず、IBSAテンピン・ボウリング・テクニカル小委員会の代表によって、選手権大会に参加する異なる国の代表の中から指名される。
18.3 いかなる付加的な処置も、テンピン・ボウリング・テクニカル小委員会の助言に基づきIBSAスポーツ・テクニカル委員会によって決定及び執行されることがある。
18.4 医学委員会は、薬物検査をその日の競技の終わりに行うことがある。検査を拒否する、あるいは陽性と判定されたボウラーは、その日の競技における最下位に降格させられるか、あるいはその競技から完全に除名されることになる。すべてのドーピングはIBSA懲戒団によって審査されることになる。
18.5 禁止物質のリストはIOCによって提供されるものである。医学検査を行うための特別規定がある(WTBA規約を参照のこと)。
19. 抗議
19.1 一般的な競技ルールに関わる抗議は、違反が発生した試合後24時間以内、または表彰の前のいずれか早いほうまでに、担当トーナメント役員に対して書面で行われなくてはならない。
19.2 ファウルまたはピンの倒れ方の適正にかかわる抗議が行われた場合、当該抗議に関わる証拠がとられるときは、関係のある協会の公式代表者が同席する。
19.3 書面による抗議が有効期限内に提出されない場合は、当該試合は成立されたとみなされる。
19.4 本規定における各規定は、類似したまたは過去の違反に適用しないものとする。
20. トーナメント前のミーティング
20.1 競技開始前に、監督会議を行い、競技および関連活動についての必要な情報の提供および質問への回答を行うものとする。レーンの抽選およびジュリーの指名は、監督会議において行われるものとする。
20.2 トーナメント監督および技術専門員は、監督会議に出席するものとする。監督会議の議長はIBSA代表者が行う。IBSA代表者は、会議の議事進行を行う代表者を指名してもよい。
20.3 上に上げた者に加え、チーム監督およびコーチのみがこの会議に出席する。
20.4 監督会議は公式練習中に行ってはならず、通訳サービスを提供しなければならない。監督会議中に回覧する資料は、点字、拡大文字、カセットテープなど、一般文字以外のかたちでも提供しなくてはならない。
21. 式典
21.1 開会式
21.1.1 開会式は、少なくとも国旗を掲げたボウラーの行進および開催国協会とIBSAの代表者による適切な挨拶を含むものとする。
21.1.2 式次第はIBSAの承認を得るものとする。
21.2 表彰式
21.2.1 メダルは、一貫性のあるデザインおよび質であるものとし、IBSAの事前の承認を必要とする。
21.2.2 表彰式は、各種目後に、できれば次の種目の開始前に行われるべきである。
21.2.3 優勝者のために国歌を演奏するものとする。
21.2.4 メダル授与は、開催国協会により設定され、IBSAにより承認を受けた計画に従うものとする。
21.3閉会式
21.3.1閉会式は行われるものとし、少なくとも開催国協会およびIBSAの代表者による適切な挨拶を含むものとする。
21.3.2式次第はIBSAの承認を受けるものとする。