視覚障害者ボウラーへの指導のポイント

1. 言葉による指導

視覚障害者ボウラーを対象とした指導では、手本を見せる代わりに、動作の 過程やフォームを言葉で説明することが基本となる。
腕や脚、腰などの動きや位置を「ここ」「そっち」などの指示代名詞を用いないで、具体的な言葉で指導する。
また、対象者の動作の過程と結果を言葉で伝えることも必要である。
一般的に動作やフォームを身につけるためには、フィードバックが重要な役割を果たす。
フィードバック情報は自身の運動感覚や視覚情報、指導者からの助言により与えられるものである。
しかし、視覚障害者は視覚情報からのフィー ドバックは得られないので、指導者が動作の結果や状況を伝えなければならない。

指導風景(画像)

視覚障害者ボウラーとしては、大きく一歩を踏み出したつもりが、実際はわずかに踏み出したに過ぎない、つまり、自身の運動感覚と動作の結果が一致し ないこともよくある。したがって視覚情報を補い、本人の感覚と結びつけるための指導者による助言が重要である。

2. 触れて・触れさせての指導

言葉による指導に加え、指導者が手や脚など対象者の身体に触れたり、指導者の身体を対象者に触れさせて、フォームを理解させたり、矯正するといった指導も必要である。
しかしながら、この指導方法では、静的なフォームの説明には適しているが、連続的な動作の説明は難しい。
したがって、触れて・触れさせての指導と言葉による指導を組み合わせておこなうことが必要である。
具体的には、視覚障害者ボウラーに言葉での指導と併せ、触れて・触れさせて フォームを理解させる。
続いて、視覚障害者ボウラーが運動を続けている間、 指導者が近くでその動作の結果や注意すべき点を伝えることで、対象者の運動感覚と動作の誤差を減らしていくことができる。

腕を取っての指導1(画像)

腕を取っての指導2(画像)

なお、投球フォームの理解には模型の活用も有効である。

模型を触ってフォームの理解(画像)

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